AWSなどの既存のクラウドサービスからOCIに移行をする際、サポート会社を利用するメリットが大きいことについて解説。また、依頼できる移行サポートサービスの内容についても紹介しています。
オラクル社が提供するクラウドサービス「Oracle Cloud」の中で提供されるIaaS(Infrastructure as a Service)とPaaS(Platform as a Service)を総称してOCIといいます。
OCIはデータベースにとどまらず、多岐にわたるクラウドサービスを展開しています。既存のクラウドサービスにはない機能を備えた「次世代のクラウド」として高い成長を続けている点も注目されています。
OCIでは100を超えるサービスを展開しており、すでにオラクル製品を利用している企業にとってはライセンス面などで柔軟な選択ができます。従量制での課金も導入されているため、利用した分だけ支払うことが可能です。
パッチ適用やバージョンアップなどが従来よりも簡単に行える仕組みが整っており、IT部門の負担を軽減しやすくなっています。
OCIへの移行は、企業のIT戦略において多くの利点があります。具体的には、以下のようなものです。
OCIは、高性能なコンピューティングリソースと低遅延のネットワークを提供し、企業の重要な業務システムが止まらず、安心して使い続けられるようサポートします。また、複数の可用性ドメイン(Availability Domain)を活用することで、システムの冗長性と耐障害性を確保できます。
データの暗号化、アクセス制御、監査ログの取得など、セキュリティ機能が充実しており、企業の情報資産を保護します。さらに、各種業界標準や法規制(例:GDPR、HIPAA)への準拠を支援する機能も備えています。
OCIは、他の主要クラウドサービスと比較して、同等またはそれ以上の性能を、より低価格で提供することを目指しています。例えば、アウトバウンド通信の無料枠や、ストレージの低価格化など、運用コストの削減が期待できます。
ビジネスの成長や変化に応じて、リソースを迅速にスケールアップ・ダウンできるため、需要の変動に柔軟に対応可能です。これにより、過剰なリソース投資を避け、効率的な運用が実現します。
Oracle製品との高い互換性を持ち、既存のオンプレミス環境からの移行がスムーズに行えます。また、Oracle以外のオープンソース技術や他社製品との連携も可能で、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド戦略にも対応しています。
OCIは、インフラのプロビジョニングや構成管理を自動化するツールを提供しており、システムの導入や変更にかかる時間と労力を大幅に削減できます。これにより、IT部門の負担を軽減し、ビジネスの俊敏性を高めることができます。
OCI導入では、現状で使用しているAWSからOCIへの移行または部分移行が必要となるケースもあります。移行においては、カスタマーゲートウェイや仮想プライベートゲートウェイの作成やVPN接続、移行後のセキュリティやコンプライアンスの設定など、OCIに関する専門的な知識や経験が必須。そのため、サポート会社を利用することをおすすめします。
OCIアプリケーション移行においては、移行するアプリケーションの特定が必須となります。そのためには、アプリケーションの依存関係やデータベース、ミドルウェア、フロントエンドのコンポーネントなどの理解が不可欠。OCIサポート会社では、リソースのマッピングからネットワーク設計やデータ移行、運用・監視まで対応することができます。
サポート会社では、VCN設計、サブネット、セキュリティ・リスト、ルート・テーブルを構成し、必要に応じてファイアウォール・ルールを設定しトラフィックを制御できます。また、アクセス制御やセキュリティ・ポリシーの作成、データセキュリティにも対応。さらに、アプリケーションが規制に準拠していることを確認することも可能です。
パフォーマンスやコストに配慮するため、移行後の最適化と運用が必要となります。OCIのリソースを適切にサイジングし、リザーブド・インスタンスを使用することでコストを削減することが可能に。また、オートスケーリングやキャッシュ・CDNでパフォーマンスを最適化。さらに、変更管理や障害対応など、運用プロセスの確立にも対応できます。
OCIへの移行プロジェクトは、一般的に「事前準備」「移行計画」「移行実行」「移行後運用」の4つのフェーズで構成されます。
まず最初に行うのが事前準備で、ここでは現行環境のリソース情報、性能要件、ネットワーク構成、セキュリティ設定などを詳細に把握し、移行対象となるサーバーやデータベース、ストレージの要件を明確にします。この段階でOCI側のリソース要件を決定し、例えば必要なCPUコア数やメモリ量、ストレージサイズ、ネットワーク帯域などを洗い出します。
移行を計画する段階では、移行対象をカテゴリ別に分けて使用するツールや方法を決定し、移行スケジュールを策定します。下記のような項目を整理できると良いでしょう。
さらに移行計画では、AWSやAzureなど他クラウドからOCIへのマッピング表を作成し、例えばAWSのEC2をOCIのCompute VMに、AzureのVMをOCIにどのように置き換えるかという対応を整理します。移行実行の段階では、実際にOCI上に環境を構築し、データ転送やレプリケーションの設定、Cutover(本番切替え)作業を行います。仮想マシンイメージの作成やデータベースのダンプ・リストア、あるいはレプリケーションツールを使った移行がここで実施されます。
運用の段階では、移行が完了した環境に対して機能テスト・性能テストを行い、監視設定やバックアップ設定を見直します。またコスト最適化のためにリソース権限の調整や不要リソースの削除、オートスケール設定なども行い、移行後の安定稼働環境を整備します。
医薬品関連事業企業において、オンプレミスのサーバーからOracle Cloud Infrastructure(OCI)への移行を支援しました。従来の5年周期でのサーバー更新によるコストと運用負担を軽減し、OCIによりレスポンス性能の向上とバックアップ運用の簡略化を実現。テクバンの構築経験により、既存のOracle Databaseライセンスを活用したコスト効率の良いクラウド移行を成功させました。
参照元:テクバン公式HP(https://www.techvan.co.jp/casestudy/qol/)
ZEALでは大手メガネチェーンストア運営企業における旧システムのサポート終了に伴い、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)への移行を実施。事前のPoCやバージョンアップにより、システムの安定稼働を確保し、運用管理性とパフォーマンスを向上させました。OCIへの移行は、将来的なデータ活用の高度化を目指した基盤構築の一環であり、柔軟で強固なインフラを実現しています。
参照元:ZEAL公式HP(https://www.zdh.co.jp/customer/paris-miki/)
ここでは、OCIを使って2カ月半ほどで「SuperStream-NX」という会計システムのバージョンアップとクラウド移行を同時に成し遂げた事例を取り上げます。
アズワン株式会社は、研究者や医療従事者向けの商品を扱う総合商社です。10万点超の商品カタログをはじめ、Web上には900万点もの商品を掲載しているため、業務処理を担う基盤は非常に重要です。
アズワン社は財務会計や経理業務に「SuperStream-CORE」(スーパーストリーム社提供)を長年活用してきましたが、2023年10月に施行されるインボイス制度対応のため、新バージョン「SuperStream-NX 2022-06-01版」へのアップグレードを急ぎました。
経理部門からは2022年11月の新バージョン運用開始が要望され、非常にタイトなスケジュールでの導入が必要でした。
新バージョン「SuperStream-NX」はOracle Database 19cを要件としており、アズワン社がオンプレミスで運用していたOracle Database 11gをそのまま使うことはできませんでした。オンプレミスで19cへ移行するには、バージョンアップによる影響調査やハードウェア調達などで想定以上の時間を要してしまうリスクがありました。
そこで、オンプレミスにこだわらずオラクルのパブリッククラウドであるOCIを利用し、Oracle Base Database Serviceとして19cを導入する方法が検討されました。OCIではライセンスを含めて従量制で利用できるだけでなく、アップデートパッチの適用なども容易です。また、オラクル製品との親和性も高いため、短期間での移行が期待できました。
オンプレミスの場合、サーバー調達やセットアップに多大な時間とコストがかかりますが、クラウドであれば環境の立ち上げを素早く行えるため、短期のプロジェクトでも対応可能です。
このように、オンプレミスの制約を乗り越えてクラウドに舵を切ることで、2カ月半のうちに新バージョンの運用開始を現実的なものとしたのが本事例の大きなポイントです。次章では、実際にクラウド移行やアプリケーション開発をどのように進め、どのような成果を得たのかをより具体的に見ていきます。
短期間でのリプレイスを成功させるには、オンプレミスとクラウドの特性を上手に使い分ける必要があります。
アズワン社は「SuperStream-NX」のアプリケーション部分をオンプレミス環境でバージョンアップし、高速なレスポンスが必要な処理を社内ネットワーク内で行う構成を取りました。
一方、Oracle Database 19cをOCI上に立ち上げ、財務や経理に関するデータをクラウドで一元管理する形を採用しています。これにより、運用コストの削減やスケジュール短縮が見込めました。
TISは、オンプレミス環境のアプリケーションバージョンアップ担当チームと、OCI上への移行担当チームを並行して走らせました。人的リソースの確保と明確な役割分担により、2カ月半という限られた期間でも作業を効率的に進められました。
経理部門に対し、新バージョンの変更点を事前に説明するとともに、要望をヒアリングすることで、操作画面や帳票のレイアウトを調整し、日常業務への影響が抑えられました。
財務会計システムのデータは機密情報も多いため、VPN接続や暗号化、アクセス制御などの設計が重要です。OCIはエンタープライズ向けの高いセキュリティ機能を備えており、移行をスムーズに実施できました。
バージョンアップやパッチ適用がワンクリックなどで行いやすいこともOCIの大きな利点です。オンプレミスと比べると、メンテナンスの負荷が軽減されました。
インボイス制度への対応スケジュールを前倒しで進め、経理部門の要望通りに2022年11月から新バージョンの運用が開始できました。2023年10月の本施行に備えた準備を問題なく進められる環境が整い、ユーザー部門からも高い評価を得ています。
大幅なシステム刷新に伴うトラブルが懸念されるところでしたが、既存操作の変更を抑えたため、経理業務の流れを維持しながらスムーズに新バージョンへ移行できました。日々の業務が停滞することなく継続できる点は、ユーザーの満足度向上に大きく寄与しました。
夜間や休日など、実際に経理業務が行われない時間帯にはCPUをオフにする運用を取り入れ、24時間365日フル稼働した場合と比べて約60%の費用削減を達成しています。リソースを必要なときだけ増強し、不要なときに削減できるクラウドならではの柔軟性が大きなメリットです。
さらに、コストの「見える化」が進むことで、将来的に新たなDX施策や社外向け有償サービスの検討もしやすくなります。ビジネスモデルの立案においても、IT基盤がどの程度のコストで動くかを正確に把握できる点は重要です。
参照元:TIS公式HP
https://www.tis.jp/casestudy/casestudy_146.html
AWSなど既存のクラウドからOCIへの移行では、サポート会社の利用がおすすめ。このサイトでは、使用中、または使用予定のRDBなどにより、選ぶOCIサポート会社を変えるべきであることについて紹介しています。
OCIサポート会社20社を徹底調査し、自社が利用しているデータベースの種類・状況別におすすめを紹介しています。OCIサポート会社を選ぶ際の参考にしてください。
MySQLを利用中・
または今後利用したいなら

OracleDBを利用中・
または今後利用したいなら

RDBでの開発環境がなく
今後も利用予定がないなら

※公式HPに資料を掲載しているページが見つかりませんでした。詳細は企業にお問い合わせください。
2024年4月17日時点、「OCIサポート会社」とGoogle検索した際に公式HPが表示された20社を調査。
OCIの導入支援を行っており、公式HPに実際のサービス導入事例が掲載されている企業9社から3社を選定しています。