クラウドサービス市場で注目を集めるOCI(Oracle Cloud Infrastructure)とAWS(Amazon Web Services)。両者には異なる特徴があり、企業のニーズに合わせて選択することが重要です。本記事では、OCIとAWSの違いを詳しく見ていきます。
OCIは、オラクル社が提供するクラウドサービスです。大規模システムの移行が容易で、高いコストパフォーマンスが特徴です。セキュリティツールの多くが無償提供され、ハイブリッドクラウドも完全にサポートしています。オラクル製品との親和性が高く、既存のオラクルシステムを利用している企業にとって魅力的な選択肢となっています。
AWSは、アマゾン社が提供するクラウドサービスで、世界最大のシェアを誇ります。200を超える豊富なサービスラインナップと、高いセキュリティ水準が特徴です。政府機関や金融機関も採用しており、信頼性も高いと言えます。また、頻繁な値下げにより、長期的なコスト削減が期待できるのも魅力的です。
OCIには、他のクラウドサービスにはない独自の特徴があります。以下でメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
OCIの最大のメリットは、充実した無料枠と既存のOracle製品との高い互換性です。「Oracle Cloud Always Free」サービスにより、期間無制限で一部のサービスを無料で利用できます。
また、オンプレミスで稼働しているOracle製品のライセンスをそのまま利用可能なため、スムーズな移行が可能です。これにより、既存の投資を無駄にすることなく、クラウド化を進められます。
さらに、オンプレミスデプロイメントを使用する際はOCIは利用した分のみ料金が発生する仕様であるため、無駄なコストが発生しにくいという点に魅力があります。
OCIのデメリットとしては、他のクラウドサービスと比べて提供サービスの数が少ないことが挙げられます。また、後発のサービスであるため、技術情報が比較的少ないのも課題です。
基本的に公式ドキュメントやサポートから情報を得る必要があり、自己解決が難しい場合もあります。ただし、必要最低限のサービスは揃っており、オラクル製品を使用している企業にとっては十分な選択肢となります。
AWSは、クラウドサービス市場でトップシェアを誇る存在です。その強みと弱みを詳しく見ていきましょう。
AWSの大きなメリットは、豊富なサービスラインナップと高い柔軟性・拡張性です。基本的なITインフラからデータ分析、IoTまで幅広く対応しており、複雑なシステムも構築可能です。また、技術情報が充実しているのも大きな利点です。
ホワイトペーパーやセミナー動画が多数公開されており、日本語の情報も豊富なため、学習しやすい環境が整っています。
AWSのデメリットとしては、提供サービスが多すぎて適切な選定が難しい点が挙げられます。各サービスに関する深い知識が求められるため、AWS初心者にとっては選択に迷う可能性があります。
また、利用料金がドル換算のため、為替レートの変動により費用が変わってしまうのも課題です。中長期的なコスト見通しが立てにくく、予算管理が難しい場合があります。
OCIは「Oracle Cloud Always Free」サービスにより、期間無制限で一部のサービスを無料で利用可能。
「クラウドサービスを導入するにあたってAWSは気になっているけど、替レートの変動で先の見通しが立たないことが不安…」と考えられている場合は、まずOCIの無料枠を導入して、どのような機能が自社に必要なのか検証してみてはいかがでしょうか。
下記のページでは、おすすめのOCIサポート会社を3社紹介しています。OCIの無料枠が気になって、導入を検討してみようと考えているのであれば、ぜひチェックしてみてください。
まず明確なゴールを設定し、それに基づいた導入計画を立てることが重要です。「なぜ移行するのか」「どのシステムやデータをどの範囲まで移行するのか」「移行の完了をいつまでに目指すのか」といった観点から検討を行い、最終的な目的を明確にしましょう。
次に、クラウドへ移行する対象となるハードウェアやソフトウェアの稼働状況を把握します。サーバーへのログイン情報を整理したり、実際にデータを利用している部署をリストアップしたりすることで、必要な情報を棚卸ししていきます。
情報の整理が完了したら、移行方法を検討・決定します。移行するシステムやデータのボリューム、切り替えのタイミングなどを考慮したうえで最適な移行方法を選定し、移行に必要な環境の調査や人員の手配なども事前に行っておくことが望ましいです。
事前準備が整いましたら、クラウド移行の本番前に事前テストを実施します。本番と同じ環境を再現したテストサーバー上で動作検証を行い、問題が発生しないか確認します。問題が発見された場合は、その原因を分析し、適切な対応策を検討することで、スムーズに本番移行ができるよう準備を整えておきましょう。
また、特に重要なシステムについては、本番移行のリハーサルを実施することも大切です。リハーサルによって手順の確認や問題の洗い出しができるため、本番時のリスクを抑えることが可能になります。
IaaS(Infrastructure as a Service)は、仮想マシン・ネットワーク・ストレージといったインフラをクラウド経由で提供するモデルです。ハードウェアの管理はクラウド事業者が担い、OS以降の構築・運用をユーザーが行います。調達の手間を削減でき、オンプレミスに比べ初期投資も抑えられる点が大きなメリットです。
代表的なIaaSサービスは、以下のとおりです。
PaaS(Platform as a Service)は、OS・ミドルウェア・ランタイム環境を含んだ開発基盤を提供します。アプリケーション開発に集中したい場合に使用されます。CI/CDや自動スケーリング、監視などが標準で用意されており、インフラの煩雑な管理から解放されます。
主要なクラウドベンダーが提供する代表的なPaaSには、以下のようなサービスがあります。
| クラウド | 代表的なPaaS |
|---|---|
| OCI | Oracle Functions、Container Engine for Kubernetes |
| AWS | AWS Elastic Beanstalk、Fargate |
SaaS(Software as a Service)は、業務アプリケーションそのものをクラウド経由で提供するモデルです。ユーザーはブラウザやAPIを介してすぐに機能を利用でき、インストールやバージョン管理は不要です。ITリソースの少ない企業にも導入しやすい点が評価されています。
主要クラウドベンダーが提供する代表的なSaaSサービスには、以下のようなものがあります。
以下はIaaS・PaaS・SaaSの主要な違いをまとめた表です。
| 分類 | 管理範囲(利用者側) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| IaaS | OS・アプリ・ミドルウェアなど | 柔軟な構成・高い拡張性 | 運用負荷がやや大きい |
| PaaS | アプリケーションコードのみ | 開発効率・運用の自動化 | カスタマイズ性がやや制限 |
| SaaS | 利用のみ | 導入が迅速・運用不要 | カスタマイズの余地が少ない |
OCI・AWSのようにIaaS〜SaaSまで幅広く対応するクラウドであれば、同一環境内で段階的なシステム構築が可能です。たとえば以下のような構成が考えられます。
このように、要件に応じてモデルを組み合わせることで、開発スピード・運用負荷・コストのバランスをうまく調整できます。AWSにおいてもElastic BeanstalkをPaaSとして活用しつつ、処理の一部をEC2へ分散する構成は一般的です。
OCIとAWSは、それぞれ異なる特徴を持つクラウドサービスです。OCIはOracle製品との高い互換性やコストパフォーマンスに優れ、特にOracleユーザーに適しています。一方、AWSは豊富なサービスラインナップと高い柔軟性・拡張性が特徴で、幅広い業界で採用されています。OCIは無料枠が充実している一方で、サービス数が少なく情報が限られるというデメリットもあります。
下記のページでは、OCIと主要RDBの相性についてまとめています。こちらのページからOCIと主要RDBを活用するメリットも確認できますので、AWS以外のRDBを検討している人は、是非チェックしてみてください。
OCIサポート会社20社を徹底調査し、自社が利用しているデータベースの種類・状況別におすすめを紹介しています。OCIサポート会社を選ぶ際の参考にしてください。
MySQLを利用中・
または今後利用したいなら

OracleDBを利用中・
または今後利用したいなら

RDBでの開発環境がなく
今後も利用予定がないなら

※公式HPに資料を掲載しているページが見つかりませんでした。詳細は企業にお問い合わせください。
2024年4月17日時点、「OCIサポート会社」とGoogle検索した際に公式HPが表示された20社を調査。
OCIの導入支援を行っており、公式HPに実際のサービス導入事例が掲載されている企業9社から3社を選定しています。